やっかい物、優れ物
多くの病院にMRI(磁気共鳴断層画像撮影装置)という医療機器があります。これは、医療的にはかなりのすぐれたものです。
しかし、設備を管理する側からはやっかい(注意が必要)な面もあります。
強力な磁場を必要とするので、超伝導で強力な磁場を作っています。(最近は永久磁石式も増えています)そのため、何らかの原因で、温度が上がったりして、超伝導状態がなくなると、導線の抵抗が増して、ジュール熱で発熱して、さらに温度が上がり、冷やしているヘリウムガスが膨張して、クエンチという現象が発生します。ヘリウムガスが一度に膨張して外部に放出されます。金額でいうと数百万円分のヘリウムが一瞬でなくなります。
写真のMRIの上部の配管がヘリウムが出るところです。下の写真がその屋外への出口で、そこでは放出される時は窒息などの危険があります。
MRIの更新の時に廃棄のために放出したことがありましたが、一度に出ると、周辺が真っ白になります。
磁力のやっかいなのは、金属などを持っては近づけないことです。看護師などのヘアピン、胸のペン類も要注意です。MRIの磁場のためにそちらに向かってすごい勢いで飛んでいく事になり、検査中の患者さん当たると非常に危険です。磁力で、酸素ボンベなども飛んで行ってくっついてしまいます。患者さんが検査中だと・・・・とんでもないことになります。外国ですが、死亡事故も発生しています。私の病院でも清掃会社が作業を行っていて、モップがすごい勢いでMRIに向けて飛んで行き、ぶつかった事故がありました。幸い、検査中ではなかったので、機器の傷ですみました。時計や補聴器などを付けて近づくと、まず駄目になります。
他に、設備管理面でもスパナなどの金属を持って入るときは、非磁性のスパナや、紐で縛ったりの措置が必要です。非常照明なども、バッテリー別置きが必要な場合もあります。
磁気だけでなく、強力な電磁波の発生もありますので、これらを外部に出さないために、電磁シールドが壁、天井、床、扉など一面に施されています。ネジ、釘などを打つ時は要注意です。他の壁と同じようにはいきません。
電磁波を使うので、電波法によって総合通信管理局への届出も必要です。
私の病院のMRIは国産の某メーカ製ですが、ほとんど故障もなく、当然クエンチもなく快適に使えています。隣の部屋の外国製のCTは何度も故障して、しかも何度も管球の交換が必要で困っています。(一概に国産がよくて、外国製が悪いと言ってるのではありませんが)
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コメント
大変勉強になりました。
投稿: 根本 | 2009年9月10日 (木) 07時13分
根本さん コメントありがとうございます。
MRIは設備管理にとっては注意が必要なものですが、医療にとっては無くてはならないもののようです。
「補聴器は付けられていませんか?」と質問して
「はい」と答えた患者さんが、補聴器をされていて、補聴器が壊れたことがありました。本人さんも付けられていた事を忘れられていたようです。
見方を変えると、付けているのを忘れるほど、雑音もないいい補聴器だったようです。
投稿: hide | 2009年9月11日 (金) 07時24分
更新するたびにどんなことが出るの?と楽しみにしています。
MRIが電波法に該当するとは知りませんでした。
強磁力線なので金属持込禁止は認識していましたが、ついうっかり磁気カード゙持ったまま入室しカードデータ消失してしまい困ったことがありました。
さてMRI機械室に入室するたびに4Kヘリュームコンプレッサの発生熱を再活用できればななどと考えています。
投稿: 1割バッター | 2009年9月17日 (木) 20時04分
1割バッターさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、コンプレッサーの熱なもったいないですよね。回収できればいいんですが、医療器械と設備機器の境界の難しいところですね。
これからもよろしくお願いします。
投稿: hide | 2009年9月17日 (木) 20時39分
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投稿: おおおおぉぉぉぉおおお!!!! | 2009年9月27日 (日) 08時47分